2008年10月08日

ブリーダーズカップの思い出/アメリカのそれではなく

だいぶまえにすこし触れたが、高校1〜2年のときにぼくと周囲4〜5人の友人が必死に取り組んでいたゲームは、まちがいなくPS版の『ダービースタリオン(以下ダビスタ)』であった。もちろんみなが独立に熱中していたわけではなく、このゲームを一気にメジャーたらしめた「ブリーダーズカップ」(以下BC)モードでそれぞれに育てた競走馬を対決させるために昼夜を問わずコントローラを握っていたわけである。高校生のときは半年に1回、たぶん3回ほど仲間内で「大会」を開催したし、卒業してからも(まあそもそもみなべつの高校に通っていたからそれほど頻繁に会う間柄というわけでもなかったのだが)気が向いたときに集まったりして、都合8回の大会が行われた。中学生時代は『ダビスタ3』でもやっていて、それを合わせれば12回に及ぶ。エクセルに当時の結果がまとまっているが、見返してみると馬名の付けかたなどにも時代を感じたりして、感慨深い。

さてそういう集まりのときにルールを策定するのが仲間内におけるぼくの役割で、それは事務的な作業を押しつけられたわけでなくむしろそういうものを整理するのが好きだったからだが、ともかくも開催をこなすたびに中学からの友人2人とともに運営アイデアを出しあい、終了後に反省点を洗い出してはより洗練された大会レギュレーションを構築していって、ほぼこれ以上はないだろうというものを作りあげた。おそらく「大会としての完成度」という意味において――『ダビスタ』のゲーム特性と適合しているかという問題はまた別なのだが――ぼくらのBC運営レギュレーションを超えるものはそうないのではなかろうかと自負するところである。今回は(ネタがないことをごまかすために)それを紹介してみることにしたい。

大会をやるからにはもちろん優勝馬と優勝馬主を決めることが目的となるわけだが、ぼくらは子供のころから「実力のあるものはそれを正当に発揮し、能力を評価されるべきである」という思想をもっていた――それはたぶん、ビワハヤヒデやベガがクラシックを戦い、さらに翌年ナリタブライアンが3冠を達成したころに競馬を見始めたことと無関係ではない。つまりクラシックの主役と目された馬が順調に勝利を手にするところに競技の正当性を見出して、強い馬がその能力をスポイルされることなく出し切ることによって公平性は担保されるのだと、ぼくらは語り合っていたのである――ので、当時やたらと刊行されていた若年向けの競馬雑誌(いまはほとんど残っていないだろう。現実の競馬の売り上げも絶頂期だった)で開催されていたBC大会のような「予選上位が勝ち上がって決勝一発勝負で優勝馬決定」という方法は運の要素が強すぎると感じて採用する気になれず、モータースポーツが好きだったこともあって初期のころからF1に代表される「チャンピオンシップポイント制」を導入していた。はじめのうち(当時は『ダビスタ3』だったので、12頭立て)は予選をおこなって勝ち上がった12頭をさまざまな条件で10レースほど戦わせ、各レースの1着から6着まで順に10-6-4-3-2-1ポイントを与えて総合順位を決めるという単純なものだったが、回を追うごとにその形はシャープに、しかし同時に複雑になっていった。最終的には以下のようなものである。

(1)各自の所有馬を体重別で3階級に分ける

『ダビスタ』は直線での加速が馬体重に依拠していたため、重い馬は勝ち目がなかった。その不公平をなくすために重い馬どうし、軽い馬どうしが戦うようにしたわけである。ヘビー級は475kg〜、ミドル級は445kg〜475kg、ライト級が〜445kg。奇数なのは各階級の境界をわかりやすくして登録整理のときのミスを減らすため。またミドル級のレンジが狭いように感じるが、登録馬の馬体重分布でバランスがとれるのはこのあたりだっただけのことで、とくに意味はない。たしか境界も大会ごとに変えていたと思う。

(2)レースを条件別にカテゴライズする

1:ダート
2:スプリント
3:中距離
4:長距離
5:牝馬
6:牡馬
7:マイル
8:チャンピオンディスタンス
9:クラシック

の9カテゴリー(以下Cと略すことあり)を設定。開催順もこのとおり。

(3)各カテゴリーに3冠レースを設定する

むかしのぼくらはむやみに競馬に「ロマン」のようなものを感じたがっていたから(まあ厨二病みたいなものだ)、「3冠」という概念に奇妙なほどシンパシーを抱いていた。ぼくらにとっては「3つ勝つこと」が強さの証明だったといっていい。とうぜんながら各カテゴリーでのリーダーを決定するためにそれぞれ3冠レースを設定することになるわけである。もちろんロマンだけに殉じたわけではなく、3レースもやれば強さがポイント差になって現れやすいという合理的な理由もあった。

ということでぼくらのBCは以下のような構成で行われた。

C1 ダート3冠
1R 阪神D1800
2R 東京D1600
3R 大井D2000(東京D2100:大井は『ダビスタマガジン』に収録。用意がないときは東京で開催。以下同)

C2 スプリント3冠
4R 京都1200
5R 中京1200
6R 中山1200

C3 中距離3冠
7R 京都1800
8R 東京2000
9R アーリントン2000(阪神2000)

C4 長距離3冠
10R 中山2500
11R 東京3200
12R 京都3200

C5 牝馬3冠
13R 阪神1600
14R 京都2200
15R 東京2400

C6 牡馬3冠
16R 東京2000
17R 阪神2200
18R 京都2400

C7 マイル3冠
19R 中山1600
20R 東京1600
21R 京都1600

C8 チャンピオンディスタンス3冠
22R 東京2400(京都2400)
23R アスコット2400(東京2400)
24R ロンシャン2400(東京2400)

C9 クラシック3冠
25R 中山2000
26R 東京2400
27R 京都3000

とまあ、決勝だけでこの27レースにも及ぶ1大会を3階級それぞれで行うという、ちょっと手軽には開催できない規模になってしまったのだが、おそらく平地競馬の要素をほとんど採り入れているといっても過言ではないはずだ(しかし振り返ってみると長距離3冠に中山3600mがないのは不思議な気もする。ダイヤモンドSが好きなことが影響しているのだろうか)。実際これでやるだけでも気の置けないメンバーどうしならそこそこ盛り上がるのだが、各自が持ち寄った登録馬の中から予選を行って勝ち上がった16頭をただひたすら走らせていくだけではあまりに工夫がないし、たんにレース数が多いだけとなってしまう。そこで「馬主=参加者の戦略性」を導入するために、さらに細かいレギュレーションを設定し、このBCは完成を見ることになる。

……と文字数自体は多くないもののこれ以上続けるとさすがに縦長になりすぎるので、以降は次のエントリに回します。
posted by DNF at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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